システムダイナミクスで経済分析

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2018年2月 なぜ日本の株価は急激に下落したのか

2018年2月に急に株価が急激に落ち込んだ。僕の保有している日本株の値段もそれに合わせて価格が下がった。現在日本の株価は立ち直ってきているが、僕の保有する株の値段は下がったまま塩漬けにしている。
今回は、塩漬けにしている反省も踏まえ、2月に株価が下がった原因を個人的に分析したいと思う。
 
以下個人的な見解
株価が下がった原因は、アメリカの長期国債金利上昇。
金利上昇により長期国債の価格が安くなった為、株式よりも国債に需要が流れたとことが株価暴落を引き起こしたと考える。
 
なぜアメリカの株式が日本の株価に影響を与えるのか?
これに関しては周知の事だと思うが、東証一部の売買代金の70%強を海外投資家が占めている。つまり、日本の株式を一番購入しているのは日本人ではなく海外の投資家という事になる。
そして、海外投資家の内多くの割合を占めるのが、アメリカだ。
 
つまり、日本の株価はアメリカが握っている。
その為、当然アメリカの投資家が株式から国債に投資先を移すと、アメリカの株式だけではなく、日本の株式にも影響を与える。
 

では、なぜアメリカの長期国債金利が上昇したのか?

金利上昇には以下の要因が考えられる。
  1. 2017年10月 FRB保有国債漸減
    これにより国債の借り手が減少(国債が余る)
    - 借り手が少なくなると、貸し手である国は金利を上げて借り手を募る必要がある。
    - 金利を上げると相対的に、現状の国債の値段は下がる為、国債の魅力が高くなる。
     
  2. 2017年12月 トランプ減税(法人税:35%→21%、所得税減税:一人当たり年間16万程度減税)
    減税すると当然、財源が必要になる。トランプさんは、減税により経済成長が促進され財源は確保できると考えているが、市場はそう考えず財源は不足すると考えた。(現状考えている)
    - 財源が不足すると、政府は国債を発行する必要がある
    - 国債の供給過多になると当然価格は下がる。
 
 
これらの要因により、国債の価格は下がり、需要は一気に株式ではなく国債(債券)に流れた結果、アメリカの株式は暴落し、それに引きずられて日本の株式も暴落した。
 
 

それでは、今後また株価は上がる可能性はあるのか?

2017年9月頃の株価まで回復し、塩漬けにした株を売れる日が来るのか?

これに対しては、アメリカの債券価格の上昇と金利の下落が起これば、前回の水準に戻る可能性は高いと思う。
但し、それには二つのカギがある。
  1. 米国国債の借り手(需要)の拡大
  2. トランプ減税による経済拡大
1.国債の借り手の拡大に関しては、最大の借り手はアメリカ国内以外だと中国が最大の保有国である。
今、中国とアメリカはトランプ関税の影響により微妙な関係にある
場合によっては、国債を交渉のカードに使い中国が国債を手放す可能性がある。
 
では2.の経済拡大はどうだろうか?
これはある程度期待が出来ると考えている。
下表が、アメリカの消費者物価指数の前年比だが、トランプ就任以降順調に上昇している。一概には言えないがアメリカの経済は成長していると考える。
 
【アメリカ消費者物価指数 前年比】
  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2018年 2.1 2.2 2.4                  
2017年 2.5 2.7 2.4 2.2 1.9 1.6 1.7 1.9 2.2 2 2.2 2.1
2016年 1.4 1 0.9 1.1 1 1 0.8 1.1 1.5 1.6 1.7 2.1
2015年 -0.1 0 -0.1 -0.2 0 0.1 0.2 0.2 0 0.2 0.5 0.7
2014年 1.6 1.1 1.5 2 2.1 2.1 2 1.7 1.7 1.7 1.3 0.8
2013年 1.6 2 1.5 1.1 1.4 1.8 2 1.5 1.2 1 1.2 1.5
2012年 2.9 2.9 2.7 2.3 1.7 1.7 1.4 1.7 2 2.2 1.8 1.7
2011年                       3

 

中国が国債を手放す可能性は不確定であるが、アメリカの経済成長は続くと考える為、不確定要素を除外して考えると、2017年9月頃の株価までは回復する可能性は高いと考える。
 
以下に参考として、アメリカの株価と債券の関連性を分析したループ図を載せる。

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